活動紹介

感謝をつなぐ「釜石からの手紙」プロジェクト

担当隊員:鹿島卓弥

エリア:釜石市全域/観光

目指すビジョン: 釜石に誇りを持つ

3月上旬、市内各地の「釜石からの手紙」と書かれたポストに、色とりどりのハガキが投入されます。
綴られているのは、釜石から全国の皆さんにお届けする「感謝」です。

釜石市は震災以降、全国からたくさんの支援を頂いてきました。2013年4月から観光交流課と協働で復興支援活動をしてきた鹿島隊員は、地元の方々が、震災以降に出会ったボランティアの方や、離れて暮らしている家族や友人に、それぞれ伝えたい想いがあることに気づいたといいます。震災から3年が経った2013年、そんな想いを伝えるきっかけにして欲しいと「釜石からの手紙」プロジェクトが始まりました。

手紙プロジェクトでは、「届けたい思い」をオリジナルのはがきに書き、3月11日の釜石オリジナル消印で全国の人々に届けます。地元の若手事業者で構成される「NEXT KAMAISHI」を中心とする地域の方々や、釜援隊員をメンバーとして、釜石からの手紙プロジェクト実行委員会を立ち上げました。また、釜石にゆかりのある国内外のデザイナーさんに協力頂き、各テーマに合わせた3種類のデザインを作成。このプロジェクトに賛同した市内の書店、公共施設、コンビニエンスストアや商店での販売を行いました。

2014年から2016年まで、延べ8000枚のはがきが、専用ポストに投函されました。市内の方からは「はがきを書く時間、相手のことを考えた。普段はなかなか得られない機会」との声をいただきました。また、はがきを受け取った方々からは「釜石から届いた想い、いつも見えるとこに飾ります」「直筆のハガキは、やはりうれしい」「震災について、今一度考えるきっかけになった」というメッセージも寄せられました。

公式サイトでは、はがきを受け取った方からメッセージが届く「届いたよマップ」を設置し、はがきが届いた場所の位置を地図上にマッピングしています。釜援隊員がつないだ「想い」の地図を、覗いてみてください。

担当隊員より

観光物産協会

鹿島卓弥

釜石で活動する中で気づいたこと、それは熱い想いもった魅力的な方が沢山いることでした。そのような人に限って何故か控えめでシャイ、でも話を聞いたら熱く語ってくれます。
そこで、誰もが何かを話したい、何かを伝えたいと思っていると感じました。また想いを伝えていただく事で私のように釜石に魅力を感じ、釜石に興味をもってくれる方が増えるのではないかと思います。それを表現するきっかけさえあれば伝えることができる。そのきっかけにしてもらいたいという想いから当プロジェクトは始まりました。

つつましいことも良いことだけど、もっと想いを伝えてほしいとも思います。釜石の人たちの想いは、僕がそうだったように人の心を動かすから。
震災から月日がたち、風化しつつある当時の記憶。3.11に合わせこのプロジェクトを行うことで多くの人の心の中に残ってほしいと思っています。

地域の方より

君ヶ洞剛一さん(有限会社ヤマキイチ商店 専務取締役)

2012年後半は震災後出会わせて頂いた方々とも信頼が深まり、これから出来る恩返しについても思い浮かべていた時期でした。私はNEXT KAMAISHIに所属しており、定期的に行われる運営会議にも出席しています。そこで鹿島隊員から、当プロジェクトにかける想いを聞いたのが始まりです。
私たちは頂いたものをそのままの形でお返しすることは出来ませんが、「感謝の気持ちを伝える」ことは大切な恩返しの一つだと考えています。その方法として、手紙という手段はとても良い。手紙だと、少し照れてしまうことでも素直に書くことが出来ますし。

ということで、うちの会社(ヤマキイチ商店)では企業用の100枚はがきを購入しました。去年も一昨年も買ったので、計200枚。いつも温かく見守ってくださるお客様、実際に釜石まで足を運んでくださったボランティアの方へと、従業員と一緒に1枚1枚想いを込めて書かせて頂きました。
手紙をお送りした反響は想像以上に高く、「届いたよ」と皆さんから声を聞かせて頂く機会にもつながりました。NEXT KAMAISHIのメンバーでは、海外からの反応があったことに感動した、との声も聞きました。もちろん、これで恩返し出来たとは思いませんが、感謝の気持ちを言葉で伝える機会が得られたことは、振り返ってみて自分にとっても有り難い事でした。とてもうれしく感じています。
手紙プロジェクトは毎年続くと聞いていますので、今後も継続して手紙を書き、釜石への「繋がり」を再確認できればと思っています。それが復興への励みになると信じて―。

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