【釜援隊が行く Vol.117】 小値賀島視察を終えて

こんにちは、久保竜太です。 釜石市観光交流課にてグリーンツーリズムの促進に向けて活動しています。
先日、観光地域づくりの先進地である長崎県の小値賀島を訪れて参りました。そこで気づかされたことについてお話します。
小値賀島は五島列島の北部に位置しており、その地へ足を踏み入れるには、博多港や佐世保港からフェリーで数時間かけて船旅をする必要があります。
人口は約2,600人程(H27年12月時点)。基幹産業は農業と漁業。
アクセスが悪く、コンビニすらもなく、半日あれば自転車で一周できるほどの小さな島ですが、ここには年間に2万人以上の観光客が訪れます。
そうした実績は、民泊や古民家ステイ等、地域資源を活かした持続的な観光事業の展開により生み出されました。
その観光事業の仕掛け人である、㈱小値賀観光まちづくり公社専務取締役(H27年12月時点)の高砂樹史さんは、以前に釜石市の民泊事業のアドバイザーとして関わって頂いた経緯があり、そのご縁から、私も学びを得る為に小値賀島を訪れたのでした。
小値賀島では、「おぢかアイランドツーリズム(島旅)」というテーマの下に観光の仕組みを作り上げております。
そこで提供される観光コンテンツには、過剰に作り上げられたものは無く、ありのままの島の暮らしに入り込むことこそが最大の価値となり、それが訪れた観光客へ特別な思い出を残します。
無駄がない、というのが私が感じた印象でした。
それとは対照的に、観光客を島へ迎え入れ島から送り出すまでの受け入れ側の仕組みは徹底した工夫と体制整備がなされています。
高砂さんのお話しの中で、何よりも私の考え方をアップデートさせられたことは、小値賀島での観光事業の取り組みを10年以上支えてきた「大義名分」のお話しでした。
このままでは島が無人島になる、という危機感。そして、島の存続の為に、という揺るぎない目的。
小値賀島の様な地域資源を活かした観光地域づくりを発展させていくにあたっては、地域の方々の共感と協力が必要不可欠です。その為には、なぜやるのか、という考えを共有しなければなりません。
釜石市は私にとって小値賀島に負けないくらい魅力的な土地です。これまでは、その魅力を伝えるべくグリーンツーリズムを始めとした観光地域づくりに取り組んで参りました。
しかしながら、釜石でなぜやるのか、このことを今一度問い直さなければならないと気付かされました。
なぜやるのか、なぜやるのか。
そこに深く思慮を巡らせながら、小値賀島からの帰路についたのでした。

▽12/18に放送された「かまらじ!」では、私が考える「民泊の魅力」を話させていただきました。よろしければお聞きください。

(久保)

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