▽若林:釜石の『食』とまちづくり~「食ブランド開発検討協議会」【釜援隊がゆくvol.152】

こんにちは、第五期の若林正義です。約20年ぶりに釜石に戻り、市の産業振興部観光交流課で活動を始めて4ヶ月が経ちました。
私の担当領域は、釜石の「食と観光」です。今日は私が一緒に活動している「食ブランド開発検討協議会」についてお話します。

「旅の楽しみのひとつは地元の美味しいものを食べること」というように、「観光」において「食」が果たす役割は非常に大きいですよね。つまり、地元の「食」を盛り上げることは、地元の「観光」を盛り上げ、地元経済の活性化につながることだといえます。
釜石では、その「食」を盛り上げる活動の一つとして、「釜石食ブランド開発検討協議会」という組織での取り組みがあります。

平成25年6月26日に設立され、今年で4年目です。設立の目的は①被災した地場中小商業者の自立再建②衰退傾向にある農水産業の6次産業化の推進、③釜石の特産品の開発・発掘です。
協議会メンバーは、市長を会長として、商工会議所・漁協・産業育成センター・観光物産協会・岩手県食品衛生協会釜石支部・岩手県飲食生活衛生同業組合釜石支部・釜石菓子工業組合・JA花巻・橋野産直組合等の各代表とかなり幅広い構成となっています。
協議会メンバーの方々は、観光や農漁業、飲食業や産直組合など各分野のプロフェッショナルです。釜石を「食」を通じて盛り上げようと、協議会ではそれぞれの立場から歯に衣を着せぬ意見が出され、会長もたじたじの鉄より熱い議論が交わされています!

具体的な活動内容は、商品開発支援に向けたコンテストやセミナーの開催、そして販売促進に向けたパンフレットの作成です。
●「おいしい釜石コンテスト」開催
H25・26年度は市民参加型のイベント性の高いものでした。市民の皆さん(個人・事業者問わず)に、設定されたテーマ・ルールに沿ったお弁当や食のお土産のレシピや商品を応募していただき、それを協議会内で一次選考、イベント時に最終選考を協議会メンバーと市民の皆さんで投票で決め、公開して認定する、というコンテスト形式で行っていました。認定されたレシピ・商品のうち優秀者には豪華賞品を進呈、さらに認定レシピの一部商品化が図られました。
この運営方式は、形式やルールを若干変えつつもH25年秋・冬、H26年春・夏・秋、と計5回開催されました。こうしたイベント型方式は、市民の皆さんに喜んでいただくイベントとしては成功なのですが、本来の目的である「商品化」、さらには「商品のブランド化」にまでは至らないという大きな課題がありました。

そこで27年度は、それまでの人気投票式認定から専門家を招いた審査員による認定へと認定方法の見直しを図りました。まずタイトル名を「おいしい釜石コレクション」に変更。また募集を事業者のみに絞り、新商品を開発・応募していただき、応募商品の選考・認定は専門家を入れた「釜石食ブランド開発検討協議会」内で実施する。
さらに、認定された商品は食のイベント「冬の味覚まつり」内で市民の方に試食していただきながら紹介、同時に認定事業者を市民の前で表彰するという運営方法としました。また、イベントは一過性が強いため、商品のブランド化には継続的な発信が必要だと考え、「おいしい釜石コレクション」をパンフレット化、認定商品を掲載することによって市民や観光客への継続的な浸透を図っています。本年度も引き続き、同様の形で活動する予定です。

●専門家によるセミナー開催
商品開発支援策のもう一つ施策として、事業者を対象としたセミナーの開催をしています。販売・市場開拓セミナー、おもてなし講座、事業展開相談会、6次産業勉強会など、各事業者が経営上抱えている課題の相談会や商品開発・販路拡大に関する知識やスキルアップ向上を図る、といった支援策を進めています。

●「おいしい釜石コレクション」作成・配布
H26年度から始まりました。「おいしい釜石コンテスト」や「おいしい釜石コレクション」で認定された商品を一目で見比べ購入できるよう、写真・価格・販売場所などの情報が盛り込まれた見開き型のパンフレットにまとめ、市内各施設各店舗に設置・配布するなど、販売促進策の一つとして取り組んでいます。

今年度を含む今後の活動内容は、上記の活動を継続するとともに新たな取り組みもしていく予定です。

いま釜石は、教育(震災学習)、観光(橋野鉄鉱山世界遺産認定)、スポーツ(ラグビーW杯開催)など各方面から注目されており、釜石を世界中に“売り込む”絶好の機会であり、「食」は非常に重要なツールとなるでしょう。

「食」という誰でもなじみのある共通テーマをもとに、人々がつながり対話を重ね行動していくことは、復興まちづくりにもつながります。前職で「食」に関わってきた経験と知識、そして「釜石人」と「よそ者」両方の視点を持った者として、より多くの人達を「食を通じたまちづくり」活動に巻き込み、一緒に活動していきたいと考えています。

最後に、皆様も「おいしい釜石コレクション」のパンフレットを見かけた際は是非お手にとってみてください。

(若林)

▽9/9のかまらじ!に出演しました:https://youtu.be/uLjoDUpuEmk

waka

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