▽佐野:東大インターン生が釜石の復興まちづくりを考えました!【釜援隊がゆく vol.151】

こんにちは、佐野です。釜石はすっかり秋の気温になりました。今日は、まだ暑かった夏の釜石で隊員と一緒に汗を流し活動してくれた、東京大学の学生3名の奮闘記をご紹介したいと思います。

東京大学が毎年夏期休暇中に開催する「体験プログラム」において、釜援隊は隊員の活動をサポートする「復興留学プログラム」を提供しています。2016年の「復興留学生」として釜石に訪れたのは、田川菜月さん(理科二類2年)、黒住奈生さん(文科三類1年)、野田隆さん(文科一類2年)です。

田川さんは、久保隊員のグリーン・ツーリズムの業務に関わりながら、主に甲子地区活性化協議会の活動に参加しました。甲子柿のブランド化や民泊などの交流事業の取り組みを記録し、住民の皆さんにもヒアリング調査を行いました。
「協議会で売り出している「甲子柿」の知名度を向上させるためには、まず市民の皆さんを交流事業に巻き込む必要がある」と、市内の小・中学生を対象とした甲子柿の収穫体験や柿室巡りツアーの企画を提案しました。

中村隊員のもとで釜石の水産業六次化について調査した黒住さんは、ラグビーワールドカップに向けて外国人観光客に向けた土産品の販売戦略を考えました。
黒住さんの調査によると、岩手県全体ではアジア人の観光客が多いのに対し、釜石では欧米人客が多いのだそうです。
そこで、欧米人の好みを考慮しつつ「試合会場や居酒屋などで出しやく、ヘルシーなイメージがある釜石の素材をつかった商品…」として提案してくれたのは、”魚介ソーセージ”でした。

最後に、野田さんは私佐野と一緒に、釜石ご出身の方を対象に「『まちが復興した』と感じられるのはいつか」をヒアリング調査しました。
多くのかたが、「そもそも『復興』とは何か、はっきりとは分からない」とお答えになるなかで、お仕事やボランティア活動を通して「人との出会い」が多くある方は、まちのポジティブな変化を感じやすい傾向にあるようです。それに気づいた野田さんは、私たち支援者や行政にできることとして「思ったこと、感じたことを話しあい、これまでの歩みを確認するシンポジウムや、地域内外の交流イベントなどを増やしたらどうか」と提案してくれました。

その他にも、釜石の人と出会いを通して、3人には多くの気づきがあったようです。
震災から長い時間が経ってから東北を訪れたことに、”うしろめたさ”を感じていたという田川さんは、出会った方から「復興の段階(フェーズ)ごとに違ったやることがある」と言われたそうです。そして、「まだ訪れたことがない人に、釜石の魅力を伝えていきたい。それが自分のできる”支援”だ」と話してくれました。
野田さんは、熊本の親戚がで被災し、「釜石の経験から生まれた教訓を知りたい」と釜石を訪れました。「実際に足を運んだら、『被災地』も『復興』も、想像していた以上に複雑で難しいものだと分かりました…」と悩みながら、 「将来は釜石ので経験を生かして、まちづくりに関わる職業につきます」と約束してくれています。

インターン期間を通しさまざまな人に出会ったことも、3人にとってはとても良い経験になったようです。「人を惹きつける商品」を考えていた黒住さんは、最終報告会で「釜石ならではの魅力は『人』です!商品のプロモーションでも、釜石の温かい『人』を強調してはどうでしょうか」と、力強くプレゼンしてくれました。

2週間、釜石のまちづくりについて本気で考えてくれた『復興留学生』の3人。釜石での経験を生かして、それぞれの道で活躍してくれることと思います。
また近いうちに、釜石で『帰って』きてね(^_^)/~

(佐野)

三人がかまらじ!で活動報告を行った回はこちらからお聴きいただけます。
▽田川さん・黒住さんが出演した回:https://youtu.be/b_a-yAw4x1s
▽野田さんが手塚隊員と出演した回:https://www.youtube.com/watch?v=3RbkD7GAQeo

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