▽渡邊:自主防災組織設立にむけて【釜援隊がゆく vol. 188】

こんにちは。鵜住居地区生活応援センターと協働している7期の渡邉陽です。
着任してから約半年が経過しましたが、いまだに地域の方言を聞き取れず、何回も聞き直してしまいます。住民の皆さんとスムーズに会話ができるまでには、もう少し時間がかかりそうです。

私が活動している鵜住居地区は釜石市の北部に位置しており、津波の被害がとても大きかった地域です。嵩上げ工事がまだ終わっておらず、復興公営住宅も入居が始まったばかりのところが多いです。
私の主な役割はコミュニティの再形成。以前自衛隊に勤めていた経験があるため、「まちの人が自分のまちを守りたいと思えるようなまちづくり」を目指して、日々業務に取り組んでいます。

その一つが、自主防災組織の設立支援。
そして去る10/12に、私にとっては念願の、鵜住居町内会役員会による自主防災組織設立にむけた話し合いが行われました!

鵜住居町内会は今年の4月に設立されたばかりの新しい町内会で、震災前にあった3つの町内会を1つに合併したものです。地区内で最も大きい町内会であるため、皆さんの合意をつくるのが難しく、防災のために一丸となることが必要だと感じてきました。

自主防災組織設立の話し合いを皆さんにしていただくため、私はまず、以下の3つを行いました。
①鵜住居地区全部の町内会長を訪問して既存の自主防災組織について把握
②鵜住居地区の防災倉庫の確認
③旧町内会の自主防災組織の活動状況を理解

その後に、鵜住居町内会長にお会いして、自主防災組織についてご意見を伺いました。すると町内会長は「今後の災害では犠牲者を出さない」と強い意思をお持ちであると教えてくださいました。
また来年には、鵜住居駅前に交流施設や津波伝承館が開設予定であり、ラグビーワールドカップが鵜住居復興スタジアムで開催されるなど、多くの観光客などがこの地域に来ます。
そんなときだからこそ、もし災害が発生したときに住民・観光客を守れる自主防災組織のような仕組みが必要ではないか、と町内会役員の方たちも考えていらっしゃるようだと分かりました。

そのような会話の結果、町内会も自主防災組織の設立に向けて、一緒に積極的に取り組んでいこう、となったのです。

そして10月12日の話合いでは、自主防災組織設立の第一段階として、鵜住居役員会で自主防災組織の基本的な知識の説明会を開こう、ということに。
私は市の防災危機管理監に連絡をとり、役員会に来ていただくように調整しました。これは、鵜住居町内会役員と防災危機管理監が、今後の鵜住居地区の防災に向けて協議する初めての場でありました。参加された役員の方は、「自主防災組織設立の話はずっと言われてきたが、ようやくスタートラインに立つことができた。」とおっしゃっており、コーディネーター冥利に尽きると思いました。

復興が進んでいるなかで、未来の安全に向けた話し合いのサポートができたことは、とても良かったと思います。自主防災組織の設立支援はまだ始まったばかりなので、これからも自分に出来ることをしながら、鵜住居が安心・安全であれるように頑張っていきます。

(渡邉)

 

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※写真は11月14日に行われた役員会の様子です。

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