▽二宮:復興公営住宅サミットを開催しました。【釜援隊がゆく vol. 190】

4月15日に釜石情報交流センター多目的ホール(釜石PIT)で「復興公営住宅サミット」を開催しました。

現在、釜石市内に29棟整備された復興公営住宅(市営21棟・県営8棟)では1,193世 帯、2,083人の方が生活しており、その高齢化率は48.5%と全市の38.4%を大きく上 回っています。さらに中高層の集合住宅の居住経験が初めてという居住者も多いとさ れ、日常のコミュニティ形成に関する課題に加え、災害時における集合住宅特有の課 題(ライフライン障害への対応、避難行動要支援者の避難方法等)について備えてお くことが必要であると考えられます。このワークショップは復興公営住宅における自治組織の役員などのキーパーソンと伴走支援者 に対して災害時に想定される課題や事例を知り、考える機会を提供することにより、 支援者との協働により災害時の対応を通して「日常の中で見守りあえる地域づくり」 を構築するきっかけとすることを目的としました。

【「知る」そして「考える」】

(1) 大規模災害時における集合住宅の状況と対応策について 宮城県マンション管理士会の高橋悦子会長をお招きし、東日本大震災時の都市圏の事例をご紹介いただき、実際の事例をもとにした集合住宅の災害とその際必要とされる 住民間の互助についての講話をいただきました。

(2) 参加者ワークショップとして、 事前に配布したワークシートに災害時に想起される状況を項目別にまとめ それをもとに意見交換することにより、集合住宅特有の課題や防災の取組や日 頃から見守りあえる地域づくりの重要性に対する理解を深めるための話し合いを行いました。

【期待する効果】 「安心と安全は地域の力で」

<初めての災害の形への備えに>
● 集合住宅における自治組織の役員などのキーパーソンに対して、災害時に想定される課題や事例を知る機会を提供することによる防災意識の向上
● 復興住宅ならではの課題を住民に情報共有することで、自主的な防災の取り組み
につながるきっかけづくり
● ワークシートの作成や他の住民との意見交換を通して、自分の住宅の災害時における課題(ライフライン障害への対応、避難行動要支援者の存在を含めた住民の状況把握等)を認識するとともに、参加者同士が連携して様々な取り組みが 行えるような関係性の構築

<防災は日頃の関係性から>
● 「隣の住民のこともわからない」住宅では安心安全は守れない。防災に対する意
識が芽生えた住民が各復興住宅において取り組みをしていく際、住民を伴走支援しつつ、平常時における住民同士の繋がりの重要性を考えるきっかけを提供し続けることにより「日常の中で見守りあえる地域づくり」を目指す

<復興期間後の支援体制を考える>
● 伴走支援者間で課題の共有を図ることによって目指す着地点の擦り合わせや連携を強化する

ご参加いただいた自治会役員さんは「日頃の関係性が大事であることを改めて理解した。」「他の団地の役員さんの考えなどを聞けたのは良かった」「個人情報など解決しなければならない課題は多いがひとつづつ取り組んでいきたい」といったお声が聞かれました。

私たち釜援隊は、これからも地域の皆さんが、地域の課題を、地域の力を主体にして解決していく仕組みづくりのお手伝いをして参りたいと思います。

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