▽東:東部地区復興公営住宅の、いま。【釜援隊がゆく vol.173】

こんにちは。釜石地区生活応援センターと協働している東です。 去る5月14日(日)に只越復興公営住宅4号棟の自治会が設立されました。そちらを含め、現在の東部地区での復興公営住宅内での活動をご報告いたします。

東部地区には2017年8月現在、13棟の復興公営住宅が建設され、約400世帯の方が移られてきました。
そのなかには、もともとこの地域に住んでいらっしゃった方もいれば、まったく違う地域から移り住まれた方もいらっしゃいます。
皆さんが復興住宅の中でどう新しいコミュニティを形成していくか、また、周辺にお住まいの方や既存の町内会とどう付き合っていくか、など、大きな問題が残されています。
各復興公営住宅で交流会などの運営をお手伝いしていると、「居住を開始して数か月が経っているのに、隣に誰が住んでいるかわからない」「エレベーターで会っても、その人が住民かどうかもわからないから、声もかけられない」等、不安を感じているとの声を耳にしています。

そんな皆さんの不安を取り除き、安心して暮らしていくことができるように、進めてきたのが「自治組織(自治会)」作りです。
これまでは、5棟の復興公営住宅で住民の皆さんが自治会が設立に取り組んでこられました。私も釜援隊として、釜石市社会福祉協議会の職員とともにその活動に関わっています。
住民の皆さんにとっても、自治会の立ち上げはあまり経験がなく、戸惑われることが多いものです。我々支援員も、住民のみなさんとも一緒に悩み考えながら、皆さんに必要な支援の方法を考えてきました。
私たちとしては、なるべく住民のみなさんで話し合っていただきたいと考えています。

例えば、何か住民同士でトラブルがあった時に、その解決策を支援員が提案すれば、その場は簡単に収まるかもかもしれません。しかし、一番大切なのは住民のみなさんが「問題をどうやったら解決できるか」と一緒に悩み話し合うことで「自分たちの答え」を見つけることだと考えています。それでたとえすぐに問題が解決しなくても、必ず次につながっていくのではないでしょうか。

先日自治会が設立されたばかりの、只越4号では、自治会設立準備委員会の話し合いの中で、やはり復興住宅内で交流が進んでいない状況が問題視されました。
そして、準備委員の中から「やっぱり互いに顔がわからないまま自治会設立の総会を行うのはおかしい。会う機会がないのなら、自分たち(準備委員)が顔を見せに行こう」という意見が出され、準備委員のみなさんで自治会設立総会への参加のお願いや、出欠の確認に全世帯を訪問しました。
その訪問では、すでに準備委員と顔見知りの人もいれば、この訪問ではじめて会う方もいるなど、反応も様々でした。しかし、こういったきっかけがなければ、同じ住宅に住みながらも、話すことや顔を合わすことさえなかったかもしれません。そういう意味では、とても大きな一歩だったと考えています。

まだ、自治組織が立ち上がっていない復興公営住宅もありますので、引き続きこれからも自治組織立ち上げのサポートに携わっていきながら、地域の皆さんが自分たちで問題を解決できる仕組みづくりをお手伝いしていきたいと思います。

(東)

※写真は只越復興公営住宅4号での自治会設立準備委員会の皆さんの活動の様子です。

只越4号自治会準備委員

只越4号自治会準備委員2

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