▽東:自治会設立・運営支援について~小世帯数の場合~【釜援隊がゆく vol.180】

こんにちは。釜援隊の東洋平です。

私が担当しております東部地区復興住宅でのコミュニティ形成支援事業の現状について報告いたします。

この東部地区には、市営県営合わせて17か所の復興住宅の建設が予定されております。

そこで住民のみなさんがこの地域で安心・安全に暮らし続けていくために、市・社協・釜援隊が一丸となり各住宅の自治組織の立ち上げを支援して参りました。

そして、去る1月13日には、大只越復興住宅1号棟にて、東部地区で9番目となる自治会が設立されました。

 

この大只越復興住宅1号棟は、世帯数が14世帯と東部地区の中でも二番目に少ない復興住宅です。

そのため、これまで立ち上げを支援してきた、世帯数の多い他の復興住宅の自治会とは異なる運営の仕方が必要になる、と感じていました。

そういった状況の中で、我々支援者たちと住民のみなさんが、自治会を立ち上げるための会議を重ねました。

その結果、役割上上下関係のある従来の役員体制(例えば会長、副会長・・・などの序列がある関係)ではなく、同じ立場の世話役による合議制の世話役体制をとることになりました。

その背景には、以下のような住民の方からの声があります。

「震災前の町内会や、被災後の仮設団地の自治会などで、役員を押しつけられるなど、あまりいい思いをしなかった」

「会長など責任のある立場を任される人も自然と限られてきてしまい、役員が固定化したり特定の方の負担が大きかった」

そして、復興住宅は(現在は)被災した方のみが入居できるため、住民の入れ変わりがほぼありません。

そのため、世帯数が少ないこの大只越1号棟では、一度役員を任されてしまうと、この先ずっと役員をしなければならない可能性があり、特定の住民のみに役員としての負担が重くのしかかることを、住民の皆さんは懸念していました。

 

そこで案としてあがったのが、同じ立場の世話役(役員)が話し合って物事を決めるという体制です。

この体制であれば各世話役の責任や負担は軽くなり、懸念されていたように誰が世話人をやったとしても特定の住民に責任が重くのしかかることはありません。

また、副次的な効果も見込んでいます。

例えば、今後復興公営住宅内で困りごとがあったとき、合議制を取っているため一人が判断するのではなく、世話人同士が話し合って決めることになります。

すると、そこに新たなつながりが生まれ、困りごとを共に解決することで、さらにそのつながりを強くしていくのでは、と期待しています。これも小規模な復興住宅だからこそ、取り得た体制だと思います。

今後も私たちは残る復興住宅の自治会作りを支援して参りますが、こういったアイディアが出てきたのも、

大只越復興住宅1号棟の住民のみなさんや釜石市社会福祉協議会の担当者と根気よく話し合った結果だと考えています。

ご協力くださった皆様には、この場をお借りして心より御礼申し上げます。

 

(東)

 

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